JIN:Rが気になる…
JINとJIN:Rの違いを知りたい
テーマをJINからJIN:Rに切り替えるのは簡単なのかな?
そんな疑問に答えます。
僕はJINを使っていて、最近JIN:Rを購入したユーザーです。JIN:RはJINの上位版とのことで、どんな違いがあるのか気になっていました。
本記事ではJIN:Rを使った感想と、JINとの違いを紹介します。
JINからJIN:Rへの移行方法についてもあわせて解説します。
【概要】WordPressテーマ「JIN:R」とは?
JIN:Rの基本情報についてです。
概要
JIN:R | |
---|---|
販売事業者 | 株式会社CrossPiece |
テーマ販売日 | 2022年11月3日 |
テーマ価格 | 19,800円(税込み価格) |
ライセンス | スプリットライセンス |
サポート | あり |
公式サイト | https://jinr.jp/ |
ちなみにこのブログはWordPressテーマSWELLです。
本当にJIN:R持っているの?
ちゃんと使ったの?
そんな不安を持つ人もいるかとい思います。
このドメインのサブディレクトリーに、JIN:Rで作ったサイトを設置しました↓
企業サイト、ブログ、不動産サイトをイメージしてかなりカスタマイズしました。
デモサイト内で使っている絞り込み検索するフォームはJIN:Rの機能ではなく、プラグインです。どうやったらJIN:Rをよりオシャレにできるかを真剣に考えてアレンジしてみました。
【レビュー】JIN:Rを使って分かったこと
正直いって、あまり…
Web制作の仕事をしている関係で、かなりたくさんのWordPressテーマを扱った経験があります。
JIN:Rと競合するブログ系有料テーマを例にあげるとアフィンガー、Diver、JIN、SANGO、SWELL、STORK19、THE THORなどを持っています。
JIN:Rはざっくり2万円するテーマです。他のテーマと比較してかなり割高です。
「もしかして、メチャクチャ高機能なの?」
そんな期待を持って購入しましたが、かなりガッカリしたというのが正直な感想です。
他の有料テーマとの比較を交えて、JIN:Rが優れいている点、イマイチだなと感じた点をレビューします。
まずはJIN:Rで良いなと感じた点です。
ポイント
- JINからの移管プラグインがある
- Font Awesomeが不要
【メリット】JINからの移管プラグインがある
JINからJIN:Rにテーマを切り替えるユーザー向けに移管プラグインが無料配布されています。
一般的にWordPressのテーマを別のテーマに切り替えると、レイアウトずれやエラーが表示されます。
原因は、切り替え前のテーマ固有の「装飾」や「ショートコード」です。
切り替え前と切り替え後のテーマに完全な互換性がない限り必ず起きるトラブルです。
JIN:RとJINには完全な互換性はありません。テーマを切り替えると同様のトラブルが発生します。
移管プラグインを使うとトラブルを最小にする役割があります。とはいえ、プラグインを有効化したままの状態だとサイトの表示スピードが遅くなるなどパフォーマンスに影響します。
テーマ移管期間中は移管プラグインを有効化し、記事をリライトした後にプラグインを停止する作業が必要になります。
【メリット】Font Awesomeが不要
Font AwesomeはWebサイト上で利用できる無料のアイコンサービスです。
アイコンの種類が豊富。しかも無料で使えるので、ブログやコーポレートサイト制作でかなり利用しています。デメリットとして、読み込むファイルが増える点とブロックエディター上での表示コードのままという点です。
JIN:Rはテーマ内にオリジナルのアイコンが用意されているのでFont Awesomeをわざわざ使う必要がありません。
エディター上にアイコンがそのまま表示されるのは嬉しいポイントです。
JIN:Rでブログやコーポレート系のサイトを作って感じたのですが、他のテーマと比較するとJIN:Rでは次の点が悪い意味で目につきます。
要約
- テーブルが使いにくい
- Googleアドセンスのインフィード広告が設定できない
- メインビジュアルの自由度が低すぎる
- 人気記事を表示する機能がない
- 記事ごとのPVを測定する機能がない
- 記事リストがカテゴリーでしか選択できない
- カスタム投稿&タクソノミーアーカイブが動作しない
- 独自フックがない
- 公式サイトの情報と仕様が違う
- 標準ブロックのオプションが一部使えない
- 不具合の対応が遅い
テーブルが使いにくい
上の画像はJIN:Rのテーブルブロックの画面です。
JIN:Rのテーブルはオプションは装飾が少なく、正直言ってかなり使いにくです。
正確に言えば、JIN:RではWordPress標準のテーブルブロックが使えるだけです。オリジナルのテーブルブロックはありません。
SANGO、SWELL、STORK19など他のブログ系テーマだと、テーブルを装飾する独自オプションが用意されているものがほとんどです。
以下は各有料テーマの設定画面です。右側のブロックオプションが豊富なのが分かります↓
情報を分かりやすく表示するテーブルは大事な機能なので、自由にアレンジできるオプションは必須です。
一例ですが、他の有料テーマだと次のような機能がありますがJIN:Rでは使えません。
テーブルのオプション
JIN:R | |
---|---|
横スクロール | 非対応 |
テーブルヘッダーの固定 | 非対応 |
テーブルヘッダーの色変更 | 非対応 |
セルの背景にアイコンを設置 | 非対応 |
セル内にボタンを設置 | 非対応 |
例えばアフィリエイトブログなんかだと、商品の比較をテーブルで作ったりします。
以下サンプルのテーブルです↓
商品A | 商品B | 商品C | |
---|---|---|---|
機能A | 少し古い | 普通 | 最新機能 |
機能B | 非対応 | 制限付き | 使用可 |
性能A | [単位] | 200500[単位] | [単位] | 1000
性能B | 500[単位] | [単位] | 1000[単位] | 800
デザイン | 普通 | 良い | 微妙 |
価格 | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 |
購入する | 購入する | 購入する |
アフィリエイトブログなんかでよく見かけるデザインで、見やすいですよね?
サンプルのテーブルを少し解説します↓
ポイント
- セルの中に画像を入れる
- セルの背景に〇や△のアイコンを表示
- リンク付きのボタンをつける
セルの中に画像を入れたり、テーブルの最後にアフィリエイトリンクを含むボタンを設置するという定番の構成です。
JIN:Rだと、こういった定番のテーブルを作ることができません。
他のブログ系テーマと比較しても、テーブルが使いにくいままなのはJIN:Rぐらいです。
他のテーマとの比較
JIN:R | SANGO | STORK19 | SWELL | |
---|---|---|---|---|
テーブル拡張機能の有無 | なし | あり | あり | あり |
JIN:RはSANGO、SWELL、STORK19より値段が高いので、同等以上の機能があるもんだと期待していましたが、とても残念です。
JIN:Rではプラグインを推奨している
そのうちJIN:Rのテーブルは使いやすくなる?
こんな期待をしていましたが、その可能性はないと思います。
根拠ですが、JIN:Rの公式フォーラムで「プラグインを推奨しています」という説明をしていたからです。
以下公式サイトの引用です。
一応JIN:Rでは標準ブロックのテーブルの仕様は推奨しておらず、「Flexible Table Block」を推奨しております。
引用元:JIN:Rフォーラム
Flexible Table Blockは無料で配布されているプラグインです。JIN:Rの開発者さんが提供しているものではありません。
- もしFlexible Table Blockの開発が停止したら?
- 今後のFlexible Table Blockのバージョンアップで、JIN:Rとの相性が悪くなったら?
テーマとプラグインが同一開発者のプロダクトであれば心配しませんが、第三者の開発したプラグインを利用する場合にはリスクがあります。
ちなみにFlexible Table Blockは、WordPressテーマSWELLの開発メンバーが無料公開しているプラグインです。JIN:RとSWELはブロガーをターゲットにしたWordPressテーマ。つまり競合です。「JIN:Rにユーザー流れるの嫌だからFlexible Table Blockの無料公開をやめようかな…」なんてリスクもゼロではありません。
Googleアドセンスのインフィード広告が設定できない
Googleアドセンス広告などを、投稿一覧に混ぜて表示させるインフィード広告についてです。
JIN:Rにはインフィード広告の設定オプションがありません。
正直かなりショックだった点です。
インフィード広告は一見すると記事へのリンクっぽい表示なので、「いかにも広告です」という表示ではありません。Yahooのデータによれば従来型の広告と比較して2.2倍のクリック率だというデータもあります。
Googleアドセンスのようにクリックごとに報酬が発生する広告はインフィード広告に設定したいのですが、なぜかJIN:Rでは設定オプションがありません。
旧JINにはインフィード広告設定オプションがあるので、当然上位版のJIN:Rでも使えるもんだと思っていたのでショックです。
他のブログ系テーマだとインフィード広告を設定するオプションがあるだけに改善してほしいと感じる点です。
インフィード広告設定オプション
テーマ名 | インフィード広告設定オプション |
---|---|
AFFINGER6 | ある |
Cocoon | ある |
JIN | ある |
JIN:R | なし |
SANGO | ある |
SWELL | ある |
メインビジュアルの自由度が低すぎる
トップページ上部に表示されるメインビジュアルエリアについてです。
他の有料テーマと比較すると、カスタマイズの自由度が低いなと感じます。
気になるポイント
- ブロックエディターで作ったパーツを表示できない
JINのメインビジュアルは背景に画像や動画を設定できる仕様です。背景に画像や動画を選んだ場合、その上に表示する要素は、「テキスト」と「ボタン」です。メインビジュアル上にブロックエディターで作成したパーツを表示させることはできません。
僕がメインで使っているSWELLなんかだと、ブロックエディターで作ったパーツをメインビジュアルに表示させることができます。
例えば、絞り込み検索プラグインで作成したフォームを設置することも可能です↓
JIN:Rはカスタマイザー上から指定の項目を入力する形式です。ちょっと自由度が低いと感じます。
人気記事を表示する機能がない
「人気記事」=「PVがたくさんある記事」のことです。
JIN:Rでは、人気の高い記事を順番で表示する機能がありません。ブログ系のテーマだと、サイト全体で人気の高い記事や、カテゴリーごと人気の記事を表示させる機能が付いているものもあるので、比較すると物足りなく感じるポイントです。
記事ごとのPVを測定する機能がない
JIN:Rはテーマ内部で記事へのアクセスを記録する機能がありません。他のテーマだと記事ごとのアクセスをサクッと確認できる機能があるので、ちょっと不便だなと感じるポイントです。
本格的なアクセス解析をするならGoogleアナリティクスを調べれば良いのですが、人気の記事を簡単に把握できると以外な発見があります。
あ、この記事のPVがスゴイ!
関連記事を書いてリンク貼ったら、PV数が伸びそう!
↑こんな感じでブログを成長させることができます。
記事リストがカテゴリーでしか選択できない
記事リストは、JINのオリジナルブロックです。
トップページに新着情報を表示させるケースで利用します。この機能は便利なのですが、記事の絞り込み機能はカテゴリーのみしか対応していません。
他のブログ系テーマにも記事リストと同じ機能があります。違いはカテゴリー以外にもカスタム投稿、タグ、タクソノミーにも対応している点です。
他のテーマだと、特定の記事を含めないといったオプションの他、表示順をランダムにしたりに人気順に変更するといった機能が付いています。
他の有料テーマと比較すると、どうしてもオプションが少ないなと感じます。
カスタム投稿&タクソノミーアーカイブが動作しない
Custom Post Type UIプラグインなどで、カスタム投稿やカスタムタクソノミーを利用するケースについてです。
JIN:Rではカスタム投稿のアーカイブと、タームのアーカイブが正常に動作しません。
不具合の内容
ページ | 不具合の内容 |
---|---|
カスタム投稿のアーカイブ | カスタム投稿以外の投稿が表示される。 |
タームのアーカイブ | 指定数以上の投稿を読み込んで表示する「もっと見る」が動作しない。 |
個人的に、かなりビックリした点です。
ガジェットブログの運営ではカテゴリやタグなどの分類機能では足りないことがよくあります。そんな場合に、タクソノミーによる分類を使うんですが、JIN:Rではアーカイブページが正常に動作しません。
カスタム投稿とタームアーカイブページの不具合については、2022年11月にJIN:R公式フォーラムに共有済みです。JIN:R開発側で不具合の再現を確認しているとのコメントをもらいました。本記事執筆時には解消されていない不具合です。
独自フックがない
JIN:Rには独自のアクションフック、独自のフィルターフックがありません。ソースコードを確認し、JIN:Rのサポートにも確認したのですが1つもありませんでした。
独自フック
アクションフック | フィルターフック | |
---|---|---|
JIN:R | 0個 | 0個 |
独自カスタマイズするユーザー目線だと、かなり不便だなと感じる点です。
WordPressテーマを独自カスタマイズするようなケースでは、おおむね次のパターンがあります。
独自カスタマイズの方法
- フックによるカスタマイズ
- 子テーマ化によるカスタマイズ
とあるカスタマイズをするとします。
フックでも子テーマでも、どちらでも同じカスタマイズできる場合、フックの方が作業工数が低く、メンテナンスが楽です。
子テーマ化する場合は、子テーマを作り、カスタマイズ対象のファイルを子テーマフォルダに移動するといった面倒な作業が必要です。テーマのバージョンアップ時にも、変更される内容を把握しなくてはいけません。
独自フックは有料テーマに限った話でありません。無料テーマのCocoonにも独自フックがあります。以下、国産WordPressテーマの独自フックの有無です。
国産WordPressテーマ
テーマ名 | 独自フックの有無 |
---|---|
Arkhe | ある |
Cocoon | ある |
JIN:R | なし |
Nishikii Pro | ある |
Lightning | ある |
SANGO | ある |
Snow Monkey | ある |
STORK19 | ある |
SWELL | ある |
JIN:Rは有料テーマなのに、独自フックがない…
公式サイトの情報と仕様が違う
購入前にJIN:Rの公式サイトをチェックしていたのですが、購入して使ってみたら公式サイトの解説と仕様が違う点がありました。
JIN:Rの公式サイトにあるスマホのメニュー解説動画では、スマホ専用メニューの数が5個のイラストが表示されています↓
ですが、JIN:Rのカスタマイザーでは上限4個しか設定できません。
公式サイトの動画 | 実際の仕様 | |
---|---|---|
スマホ専用メニュー | 5個 | 4個 |
ちなみに最新バージョンのJIN:Rを有効化したカスタマイザー上でもメニューが5個になっています↓
公式サイトの情報を信じて2万円払っているんですが、かなりショックです。たまたま遭遇したのがこの1か所なんですが、もしかしたら他にもあるのかなという不安を持ってしまいます。
標準ブロックのオプションが一部使えない
JIN:RはWordPressコアブロックの一部オプションが利用できません。
WordPressコアブロックはWordPressの標準機能のことです。例えば画像ブロック、テーブルブロックなどのことです。
JIN:Rではコアブロックのカバーブロックの「配置オプション」が一部利用できません。
カバーブロックは横幅いっぱいにレイアウトエリアを拡張できるブロックです。画像や動画を埋め込んで、その上に文字など任意の要素を配置できる万能ブロック。
かなり便利でよく使うブロックです。
デフォルトテーマで利用できる配置オプションの「幅広」「全幅」がJIN:Rでは、使えません。
手持ちの有料テーマだと使えるので、かなり不便に感じる点です↓
カバーブロックの配置オプション
テーマ名 | 幅広 | 全幅 |
---|---|---|
Arkhe | ある | ある |
Cocoon | ある | ある |
JIN:R | なし | なし |
Nishikii Pro | ある | ある |
Lightning | ある | ある |
SANGO | ある | ある |
Snow Monkey | ある | ある |
STORK19 | ある | ある |
SWELL | ある | ある |
不具合の対応が遅く感じる
発見されたバグへの対応についてです。
他のWordPressテーマ同様に、JIN:R公式のフォーラムに不具合の報告をしバージョンアップを待つというフローです。
例えばユーザーがバグを見つけた場合は、次のような流れで解消されます。
不具合が解消される流れ
- バグが見つかる
- フォーラムに報告
- 開発者が確認
- テーマのバージョンアップで解消
JIN:Rのフォーラムをチェックしているんですが、ユーザーが報告し開発側で再現した事象でも解決に至っていないものがチラホラ出ています。
他のテーマと比較すると不具合解決までの期間がかなり遅く感じます。
ユーザー側の報告が抽象的で伝わらないケースや、再現性のない不具合対応に時間がかかるのは仕方ないと思うんですが、開発側で再現したものについては迅速に対応してもらいたい。
【比較】旧JINとJIN:Rの違いは?
旧JINとJIN:Rの大きな特徴についてです。
「JIN持っているけど、JIN:Rにしょうかな?」
↑こんな人向けです。
JIN:RはJINの上位版という扱いですが、JINの機能がそのまま使えるわけでありません。
「なんかパワーアップしたんでしょ?」みたいなフワッとしたノリで購入すると、後悔するかもしれません。
リサーチすると、「JIN:Rを試したけどJINに戻した」というユーザーさんもいます↓
JIN:RをやめてJINに戻しました – https://t.co/4ce6vfRwNI https://t.co/vpzgrvYDZt
— HAAAN (@haaanblog) November 25, 2022
JINと比較して改善したなと感じる点
改善した点
- ブロックエディター対応
- サイト型デザインが作りやすい
それぞれ解説します。
【ポイント①】ブロックエディター対応
JINとJIN:Rの大きな違いがエディターです。
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
クラシックエディター対応 | 対応 | 非対応 |
ブロックエディター対応 | 一部対応 | 対応 |
JINは部分的にブロックエディターを使うこともできましたが、旧式のクラシックエディターで記事を書くテーマです。
一方のJIN:Rはブロックエディターテーマです。エディター上に装飾がそのまま表示されるので、わざわざプレビュー確認する必要がありません。クラシックエディターの装飾の一部はショートコードで表示されるため、装飾が反映されているかチェックする手間が必要でした。
JIN:Rにしてからマーカーが使いやすくなったという口コミです↓
JINからJIN:Rに変更して感じたこと
— ぼくてき (@vokuteki) November 30, 2022
マーカー引くのがめちゃ楽!
・マーカーと太文字が一気に引ける
・とても見やすい#JINR pic.twitter.com/z731p0N2d8
ブロックエディターの良い点は装飾を視覚的に表現できる点ですね!
【ポイント②】サイト型デザインが作りやすい
ブログ界隈でトレンドのサイト型デザインについてです。
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
サイト型デザインの作りやすさ | コード編集の知識が必要 | 作りやすい |
JINはPHPの編集スキルがないとオシャレなサイト型デザインを作ることができません。トップページに指定した固定ページ上に、公開した記事を自動的に表示するといった機能はありません。コードレベルでの独自カスタマイズが必須という高いハードルがあります。
JIN:Rはブロックエディター上での操作だけで簡単にサイト型デザインを実現できます。プログラムの知識がなくても、公開した記事を自動的に指定の位置に表示する機能があります。
JINと比較して改悪したと感じる点
使ってみて感じた改悪したと感じるポイントです。
ポイント
- クラシックエディターで装飾オプションが表示されなくなった
- ページの先頭に戻るボタンがなくなった
- 「次の記事」「前の記事」リンクがなくなった
- ページごとに1カラムレイアウトに切り替える機能がなくなった
- カスタム投稿&タクソノミーのアーカイブが使えなくなった
- インフィード広告設定オプションがなくなった
それぞれ解説します。
【ポイント①】クラシックエディターで装飾オプションが表示されなくなった
JIN:Rはブロックエディターテーマです。
クラシックエディターにすると、エディターのツールバーにオリジナルの装飾機能は表示されません。
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
クラシックエディター対応 | 対応 | 非対応 |
ブロックエディター対応 | 一部対応 | 対応 |
JINはクラシックエディターでの利用を想定したテーマですが、ブロックエディターでもJINの装飾機能は使えます。
どうしもクラシックエディターで記事を書きたいというユーザーにとっては大きなデメリットです。
【ポイント②】ページの先頭に戻るボタンがなくなった
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
戻るボタン | ある | ない |
JINのフッターには、ページの先頭に戻るボタンが付いています↓
JIN:Rにはこの機能はありません。パソコンサイトでもスマホサイトでもこの機能は使えません。
SEOを考慮して記事を書いていると、文字数が増えてどうしても長文になってしまいます。サイト訪問者の目線的にページの先頭に戻るボタンがあった方が便利。
せめて「表示・非表示」の切り替え機能をつけてほしいと思いました。
【ポイント③】「次の記事」「前の記事」リンクがなくなった
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
前後の記事に移動するリンク | ある | ない |
JINのブログ記事の下には、閲覧している記事から次の記事に移動するテキストリンクが表示されます。
JIN:Rには表示されませんし、表示を切り替えるといったオプションがありません。
WordPressテーマだとわりと標準的な機能だと思っていたので、「この機能がないの?」と驚きました。
どうしてもリンクを設置したい場合は独自カスタマイズで実装するしかありません。PHPテンプレートファイルを編集することになります。
初心者にはハードルが高い作業だと思います。
【ポイント④】ページごとに1カラムレイアウトに切り替える機能がなくなった
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
投稿記事ページ | ある | ない |
JINだと、ページ単位でサイドバーの有無を設定できます↓
集客記事はサイドバー付きで、収益化記事への導線を設置するとった使い方ができます。収益化記事ではCVさせたいのでサイドバーなしって構成にするのがわりとスタンダードな使い方。
JIN:Rでは投稿ページに個別設定のオプションはありません。
トップページ以外のページは1カラムか2カラムという全体一括設定のみです。JINのように「収益記事ではサイドバーなし」といった設定はできません。
【ポイント⑤】カスタム投稿&タクソノミーのアーカイブが使えなくなった
JIN | JIN:R | |
---|---|---|
カスタム投稿 | 使える | 使えない |
ターム | 使える | 使えない |
ブログやコーポレートサイトによってはカスタム投稿、カスタムタクソノミーを導入するケースがあります。
例えばCustom Post Type UIプラグインでカスタム投稿を追加した場合、JINではコードレベルでカスタマイズしなくても、カスタム投稿のアーカイブが正常に動作します。
JIN:Rではカスタム投稿のアーカイブが正常に動作しません。カスタム投稿のアーカイブページに、標準投稿が混じって表示されてしまいます。
カスタム投稿のタームアーカイブページについてもJINはテンプレートファイルのカスタマイズなしで動作します。JIN:Rは一定の数が表示されるのですが、ページャーとして動作するはずの機能が正常に動作しません。
JINでカスタム投稿でコンテンツ運営をしていたサイトでテーマをJIN:Rに移行した場合でも行る事象です。
【ポイント⑥】インフィード広告設定オプションがなくなった
Googleアドセンスなどの広告をインフィード広告として表示するケースです。JIN ではインフィード広告を設定するオプションがありましたが、JIN:Rではなくなってしまいました。
クリック型広告と相性が良いので、どうしても必要だという場合は別テーマを選ぶかテーマファイルをガッツリ編集しなくてはいけません。
個人的にかなりショックな変更です。
JINから移行する場合は本当にちゃんと調べよう
「JINの上位版」という文言でJIN:Rは販売されています。
そのためか、「JINの機能+拡張機能」って印象を持ってしまう人もいます。じっさいに使ってみると完全に別テーマなので、JINでやれていたことがJIN:Rではできないということがあります。
リサーチしてみると僕と同じような感想を持ったユーザーがいました↓
JIN:R買ったんだけど、全然わからん。ちょっと買ったの後悔するレベルでTOP編集とか分からんのだけど。。。JINのブログ形式ができないので一旦JIN:R→JINに戻しました。素直にSWELLにしておいた方が良かったかもしれん🫠
— あくあ@意識低めな大手企業OL (@aqua_life_0227_) November 8, 2022
私みたいになった人っています?😇#JINR
口コミを投稿したユーザーさんのツイートを追ってみたら、JIN:Rを諦めて別テーマのSWELLに移行していました。さすがにテーマ代の2万円がムダになったのは可哀そう。
JINからJIN:Rの移行作業について
WordPressテーマの移行作業はかなり面倒です。
JINからJIN:Rへの移行も例外ではありません。JIN:RはJINの上位版という売り込みですが、テーマ切り替え作業は他のテーマへの移行とほとんど変わりません。
とはいえ、JINからの移行をスムーズに行うための移管プラグインがあります。
テーマ切り替えの作業リスト
- バックアップ
- 移管プラグインの有効化
- テーマの切り替え
- サイトのデザイン設定(後でもOK)
- 記事のリライト
- 移管プラグインの停止・削除
- JINの削除
- プラグインの整理
テーマ移行作業について解説します。
【ステップ①】バックアップ
テーマ切り替え作業はサイトの表示が崩れる、サイトが真っ白になるなどトラブルが発生することがあります。
いざという場合にそなえて、事前にバックアップを取得しましょう。
バックアップは自分が慣れている方法で構いません。
バックアップ方法
- WordPressの無料プラグイン
- レンタルサーバーのバックアップ機能
- 外注業者
「いざというときに復元できるか?」が重要なポイントです。
復元方法を事前に確認し別環境で試してみることをおススメします。
【ステップ②】移行プラグインの有効化
移管プラグインをJIN:R公式サイトからダウンロードし、サイト上で有効化しましょう。
JIN:R公式サイト「JINからJIN:Rの移行作業について」
【ステップ③】テーマの切り替え
ダッシュボード上でJIN:Rを有効化します。
ファイルレベルでのカスタマイズを予定している場合はJIN:Rの子テーマを有効化してください。
JIN:Rの子テーマは公式サイトで配布されています。
【ステップ④】サイトのデザイン設定(後でもOK)
カスタマイザーでサイトデザインを調整するステップです。
設定の一例
- ヘッダースタイルの調整
- メインビジュアルの設定
- サイト全体のレイアウト調整
- フォントの指定
- 配色の指定
- SNSアカウントの設定
ロゴやヘッダー、全体のレイアウトなどをカスタマイザーから自由に行ってください。サイト型デザインは楽しくで夢中になってしまいます。
ですが、次のステップの記事のリライトが控えています。
ある程度デザインが整った段階、次のステップに進みましょう。
【ステップ⑤】記事のリライト
移行作業でもっとも大変なステップです。
記事を1つづつチェックし、マニュアルでリライトする工程です。JINで使っていた装飾機能をJIN:Rの装飾機能に置き換えます。
例えばJINで吹き出しを使っている箇所は、全てJIN:Rの吹き出しに置き換えるという作業です。
記事数と、装飾の数が多いほど大変な作業です。
リライトの作業時間は使っている装飾の数によります。
記事あたり15分~30分の作業時間を見積もりましょう。
【ステップ⑥】移管プラグインの停止・削除
移管プラグインを停止します。
停止した後、サイトに不具合が発生していないかチェックしましょう。問題がなければ移管プラグインを削除します。
移管プラグイン停止後に、不具合のあるページを見つけたら?
移管プラグインを有効化して、ページをリライトしましょう!
地道な作業ですがひたすら「移管プラグインの停止」、「ページのチェック」の繰り返しです。
WordPressはセキュリティーの観点から有効化していないプラグインの削除を推奨しています。作業が全て完了したら移管プラグインを削除しましょう。
移管プラグインはJIN:Rの公式サイトからいつでもダウンロードできるので、保管する必要はありません。
【ステップ⑦】JINの削除
JINはお役御免です。
JINのテーマをダッシュボードから削除します。
WordPressは有効化していないテーマの削除をセキュリティーの観点から推奨しています。
JINのテーマは削除後でも入手可能です。
どうしても心配なでパソコンに保存したい人は、テーマをダウンロードして保存しましょう。
【ステップ⑧】プラグインの整理
JINで有効化していたプラグインの見直しです。
JIN:Rで不要なプラグインがあれば無効化し、削除しましょう。
不要なプラグインの一例
JIN:Rはブロックエディターテーマです。
クラシックエディターを拡張する種類のプラグインは不要です。
まとめ
WordPresテーマ「JIN:R」のレビューでした。
正直な感想として、他の有料テーマと比較して物足りなさを感じました。テーマ内部のソースコードなども確認したのですが、他の有料と比べて「〇〇が優れているという」点を見つけることができませんでした。
JIN:Rの価格は2万円。ブログ系のテーマだとかなり高い部類です。特別な機能や使い勝手があるかと期待していただけにガッカリしました。
色んなWordPressテーマを使っていますが、ここ数年で一番良いと感じるのはSWELLです。JIN:RはSWELLより価格は高いのですが、SWELLのレベルには到達していないと感じました。