
エックスサーバーで、クライアントサイトを運営したい…
再販可能なの?
制限とか注意事項があれば事前に把握したい…
そんな疑問に答えます。
レンタルサーバーは第三者のサイト運営に関して独自のルールを設けています。
本記事では、Web制作事業者を対象にエックスサーバーの「再販ルール」と注意事項を解説します。
エックスサーバーは条件付きで再販可能

まずは「再販」という用語についてです。
この記事ではWeb制作事業者がエックスサーバーを契約し、サイト制作を代行したWebサイトをWeb制作事業者名義で契約したサーバー上で運営するといったケースを「再販」と定義します。
再販の具体的な例
- Web制作事業者:エックスサーバーのスタンダードプランを1つ契約する
- Web制作事業者:第三者のサイトを制作し、Web制作事業者の名義のサーバー上で運営する
- クライント:Web制作事業者に料金を支払う

「サイト制作+サーバー+保守」のセットでサービスを提供している、Web制作業者向けの情報です。
【結論】エックスサーバーは再販可能です
まずは端的に説明すると、エックスサーバーは再販可能です。
以下、エックスサーバー公式サイトの引用です↓
再販が可能な事例
・ウェブ制作代行業務において、顧客サイトをサーバー上に構築する・家族内や友人同士のサークル内などで、サイト作成やメールアドレス使用のためにサーバーを共同で利用する
引用元:Xサーバー「再販について」
「ウェブ制作代行業務において…」としっかり明記してあります。

ちなみに僕もエックスサーバーを再販用途で10年以上使っています。
再販の上限は5社まで
エックスサーバーの再販は1サーバー契約あたり5ユーザー、つまり「5社まで」というルールになっています。
一番低価格なプランである「スタンダードプラン」を1つ契約した場合に、5社まで再販可能という仕組みです。
もしクライアントが5社を超える場合は、別途サーバーを1つ契約する必要があります。例えば、スタンダードプランを1つ契約済みであれば、別途スタンダードプランを1つ契約すると合計で10社まで再販できるようになります。

ちなみにこの縛りは、エックスサーバーの全プラン共通です。
各プランごとの再販の上限数
プラン名 | 再販の上限数 |
---|---|
スタンダード | 5社 |
プレミアム | 5社 |
ビジネス | 5社 |
どの契約プランを選んでも、再販の上限は5社です。
再販契約でクライアントに提供可能なサービス内容は?

エックスサーバーの最安プラン、スタンダードプランを1つ契約した場合を例に、Web制作事業者がクライアントに提供できるサービス例を紹介します。
提供できるサービス
- クライアントごとに独自ドメインでサイトを運営できる
- クライアントごとにWordPressを設置できる
- クライアントごとに無料SSLが利用できる
- メールアカウントを独自ドメインごとに作成できる

それぞれを詳しく解説します。
クライアントごとに独自ドメインを運営できる

エックスサーバーはマルチドメイン対応です。1つサーバー契約で、複数のドメインを利用することができます。
例えばクライアント5社と契約したと仮定します。それぞれのクライアントごとに、独自ドメインでサイトを運営することができます。
独自ドメインのイメージ
クライアント名 | 独自ドメイン |
---|---|
A社 | wonderhub.com |
B社 | cloudsparkle.net |
C社 | techsavvvy.org |
D社 | craftyfoxdesigns.com |
E社 | freshplatefoods.com |
ドメインはどう取得するか?
エックスサーバーはレンタルサーバーを提供するホスティング会社ですが、ドメインの新規取得・管理をしているドメイン管理会社でもあります。
そのため、独自ドメインはエックスサーバーで新規で取得可能です。
支払いなどの管理や、サーバーへの設定などを考えるとエックスサーバー経由で購入し一括管理したほうがかなり楽です。
お名前.comなど、外部のドメイン管理会社で取得したドメインを利用することもできます。外部のドメイン管理会社で取得した場合は、ドメイン管理をエックスサーバーに移管する方法と、ドメイン移管をせずにネームサーバーを利用する方法があります。

どちらの方法でも再販用のサーバー上でクライアントサイトを運営できます。
サブドメインも設定可能
独自ドメインに紐づいたサブドメインを作成することができます。例えばexample.comという独自ドメインを取得している場合に、service.example.comなどを設定できます。作成できるサブドメインの数に制限はありません。

サブドメインにもWordPressをインストールできます。
クライアントごとにWordPressを設置できる

エックスサーバーはWordPressのインストール件数に制限はありません。
WordPressの設置にはデータベースが必要です。以前は設置できるMySQLなどのデータベース数に上限がありましたが、現在ではエックスサーバーの全プランが無制限にアップグレードしています。
データベース
プラン名 | MySQL/MariaDB |
---|---|
スタンダード | 無制限 |
プレミアム | 無制限 |
ビジネス | 無制限 |
クライアントごとに無料SSLが利用できる
SSLはサーバーとの通信を暗号する技術です。SSLはGoogleが検索順位を決めるSEOのアルゴリズムにもなっています(参考:ランキング シグナルとしての HTTPS)。
エックスサーバーではSSLが無料で利用できます。ドメイン全てをSSL化しても追加料金はかかりません。他社サービスだと、年間で1万円程度する有料SSLもあるので、かなり嬉しいポイントです。
メールアカウントを独自ドメインごとに作成できる

エックスサーバーでは独自ドメインに紐づいたメールアカウントをコントロールパネルより作成できます。
再販用として利用している場合でもクライアントのドメインごとに独自メールアカウントを提供可能です。しかも、各ドメインごとに作成できるメールアカウント数に制限はありません。
例えば、クライアントA社用にexample.comというドメインでサイトを作成するとします。A社のスタッフ全員用に独自ドメインのメールアカウントをそれぞれ提供できます。
クライアントごとのメールアカウント
クライアント名 | 独自ドメイン |
---|---|
タナカ 社長用 | tanaka@example.com |
キムラ 副社長用 | kimura@example.com |
スズキ 営業部長用 | suzuki@example.com |
エンドウ | endos@example.com |
ササキ | sasaki@example.com |
Gmailなどのフリーメールは誰でも気軽に作成できるため、捨て垢などに利用されることが多くビジネスシーンでは信頼度は低く好まれません。
エックスサーバーを再販用に契約した場合には、クライアントにサイト制作と合わせてメールアカウントの提供といったサービスを提供できます。
メールアカウトごとに制限をかけることができる

再販時に気をつけたいポイントの1つがディスクスペースです。エックスサーバーのディスクスペースは、次の表の通りです。
一番安いスタンダードプランでも一般的なコーポレートサイト運営では持て余すサイズです。
ディスクスペース
プラン名 | MySQL/MariaDB |
---|---|
スタンダード | 300GB |
プレミアム | 400GB |
ビジネス | 500GB |
サイト運営では余裕のあるディスクスペースですが、メールアカウントを発行する場合は注意が必要です。まれに動画や高解像度の写真など、大きめのファイルサイズをやりとりするユーザーがいます。
そういったユーザーにディスク領域が専有されないよう、メールアカウントに上限を設けるのが望ましい運用です。
エックスサーバーでは、メールアカウントごとに上限を設定するオプションが用意されています。コントロールパネルから数値を設定するだけなので、再販時にメールアカウントをクライアントに提供するケースでは必ず設定をしておきましょう。
クライアントにメールアカウントを提供する場合は、「上限○○GB」までといった制限を付けるのを忘れないようしましょう!
エックスサーバーを選択するメリット

再販用にエックスサーバーを選択するメリットについてです。
Xサーバーを利用するメリット
- 国内シェアNo.1、サーバー速度No.1という安心感
- 電話サポートがある
- WordPressの運営に向いている

それぞれのメリットについて解説します。
国内シェアNo.1、サーバー速度No.1という安心感
電話サポートがある
エックスサーバーは、レンタルサーバー会社のサポートとしてはめずらしく電話によるサポートを提供しています。
メールで説明しずらい
今すぐ返答をもらいたい
そんなケースってありますよね?Xサーバーは電話によるサポート窓口があるので、文章で説明するのが苦手だという人には嬉しいポイントです。
もちろん電話以外にもメールによるサポートもあります。
過去に何度か利用したことがありますが、レスポンスはわりと早かったです。平日の日中に問い合わせをした経験がありますが、例外なく数時間で解答をもらうことができました。
WordPressの運営に向いている
クライアントのサイトをWordPressで作る予定だというWeb制作事業者に向いています。
XサーバーがWordPress運営に向いている理由
- WordPressを簡単にインストールできる
- WordPressのインストール件数に制限がない
- WordPress専用セキュリティーオプションが標準搭載

それぞれの理由について解説します。
WordPressを簡単にインストールできる
エックスサーバーにはコントールパネルと呼ばれる管理画面から、最新バージョンのWordPressを簡単にインストールできる機能があります。
画面の案内に従い、サイト名や管理者のメールアドレスを入力するといった簡単な操作でWordPressをインストールできるは、あまりWordPressに慣れていないWe制作事業者にとっては嬉しい機能です。
レンタルサーバーによっては、「データベースを作る」「FTPでファイルをアップロードする」という専門知識が必要なタイプもあります。

初めてWordPress案件を扱うという人にも安心です。
WordPressのインストール件数に制限がない
エックスサーバーではWordPressサイトのインストール件数に制限はありません。
レンタルサーバーによってはWordPressの上限が決まっているものもあります。
WordPress専用セキュリティーオプションが標準搭載
WordPressを運営するにあたり、セキュリティー対策は必須です。XサーバーにはWordPressに不慣れな管理者向けに、無料で利用できるセキュリティー機能が搭載されています。
セキュリティー機能の一例
- 海外ネットワークからのログイン画面へのアクセス禁止
- ログイン試行回数の制限
有効化するだけで、ハッキングのリスクを減少できます。
WAFの誤作動が少ない
WAF(ワフ)はWeb Application Firewallの略語、セキュリティーシステムの一種です。WAFは外部からの不正アクセスを防ぐために有効で、一般的なレンタルサーバーでは標準的に搭載されています。
WordPress内で設定作業をしていると、一部レンタルサーバーのWAFが正常な設定作業を「外部からの攻撃」と誤検知することがあります。
誤検知するとエラーが表示され設定作業を保存することができません。作業を継続するためには、WAFを一時的に解除するといった余分な作業が発生します。
正直いちいちWAFを解除するのは、かなり面倒です。なるべきWAFの誤検知の少ないレンタルサーバーでサイトを運営したほうがストレスがたまりません。
僕はエックスサーバーでWordPressを運営していますが、WAFの誤検知はほとんど経験したことがありません。
自動バックアップ機能
エックスサーバーは無料で使える自動バックアップサービスが付いています。
バックアップ対象は、Web領域、メール、MySQLデータベースです。
対象 | |
---|---|
サーバー領域のWeb (実ファイル) | 14日分 |
メール | 14日分 |
MySQLデータベース | 14日分 |
WordPressはデータが実ファイルとしてではなく、データベース内に保存されるのでMySQLデータベースがバックアップ対象なのは嬉しいポイントです。
デメリット

エックスサーバーで再販するさいのデメリットについてです。
Xサーバーを利用するデメリット
- クライアント数は5社まで
- アダルト系はNG
クライアント数は5社まで
エックスサーバーで再販の上限は「5」です。
再販に関する必要条件
引用元:Xサーバー「再販について」
再販先は、一法人または一個人、または家族やサークルなどの特定の一団体をそれぞれ1ユーザーとし、計5ユーザーまでとすること
あくまで再販の上限が「5」です。自分のサイトであれば制限はありません。
自社サイト | 再販(クライアントの数) |
---|---|
制限なし | 5 |

再販する数が5者を超える場合は?
そんな場合は、サーバーをもう1つ契約すると、さらに5社に再販できます。
制限があるのはデメリットと感じますが、制限がまったくない共有レンタルサーバーだと、どうしてもレスポンスが悪くなります。
そういった意味ではある程度の制限があるのは、サーバーが遅くならずに済むのでユーザーにとってはメリットとも言えます。
アダルト系はNG
エックスサーバーはアダルト系サイトの運営はNGという規約があります。
以下、公式サイトの引用です↓
以下のコンテンツの運用は禁止しております。
・ポルノサイト、またはそれに類似するもの
・売春を助長するようなもの
・第三者の知的財産権や肖像権・プライバシーを侵害する、または侵害するおそれのあるもの
・無限連鎖講(ねずみ講)、マルチ商法、またはそれらに類似するもの
・日本国内の法律に違反するもの
・以上のようなサイトへのリンクが含まれるもの
なお、当サービスでは、風俗店やアダルトグッズを取り扱うコンテンツ、同人系コンテンツの運用自体は、禁止事項に該当をいたしません。しかしながら、性行為、またはそれを連想させる画像・動画を掲載している場合は、禁止事項に該当するコンテンツであるとの判断をいたします。
引用元:エックスサーバー「禁止事項について」
エックスサーバーに限らず、国内大手のレンタルサーバー会社はアダルト系コンテンツの運営がNGというルールになっている会社が多いので、アダルト系サイトを運営を予定する場合は利用規約を確認しましょう。
エックスサーバーの再販申込み方法

エックスサーバーの申込み方法を解説します。
再販目的でも特別な申請はありません。
FAQ

エックスサーバーの再販に関するFAQです。
クライアントのWebサイトをホスティングするレンタルサーバーを探しています。
エックスサーバーは再販可能ですか?
再販可能です。
Xサーバーで再販可能なプランはどれですか?
エックスサーバーはスタンダード、プレミアム、ビジネス全プランで再販可能です。
上位プランへの変更ができるので、まずは最も安価なスタンダードプランがおすすめです。
電気通信事業者の届出は必要ですか?
再販目的が一般的なコーポレートサイト運営といった場合には、電気通信事業者の届出は不要です。
まとめ
エックスサーバーの再販について紹介しました。
本記事は、2023年4月5日に独自調査した内容をもとめたものです。エックスサーバーの提供しているサービスの名称、内容、料金、コントロールパネルの仕様が変更される可能性があります。詳細はエックスサーバー公式サイトを確認しましょう!