
Arkheってどんなデザインのテーマなの?
デモサイトを見てみたい…
そんな人向けにWordPressテーマArkheを使って、コーポレート型のデモサイトを作ってみました。
【基本情報】Arkheって何?

まずはArkheの基本情報です。
Arkheは有料テーマSWELLの開発者さんが作ったWordPressテーマです。WordPress公式ディレクトリーに登録されていて、誰でも無料でダウンロードできます。
Arkhe基本情報 | |
---|---|
テーマ名 | Arkhe(アルケー) |
価格 | 無料 |
開発者 | ddryo_loos |
公式サイト | https://arkhe-theme.com/ja/ |
Arkheの意味は?
Arkheは「はじめ」「始原」「原初」などといった意味があります(参考:Wikipedia)。 テーマ公式サイトにはテーマの由来に関するハッキリとした説明は見当たりませんが、コンセプト的にこれらの意味を込めたんだろうと推測できます。
「Arkhe」のコンセプト
引用:Arkhe公式サイト
「WEB制作のベースに最適なテーマ」を目指して開発されました。「自由にサイトを組み立てたい」「でも細かい部分をいちいち整えるのは面倒だ」と、そんな方々が使いやすくなるようなテーマでありたいと思っています。
【デモサイト】コーポレートサイトを作ってみた

Arkheを使ったデモサイトを紹介します。
デモサイト

僕がArkheを使ってサイトを作ってみました!
【デモサイト①】プラグインのポータルサイト

ArhkeとEC系のWooCommerceプラグインで作成しています。
イメージしたのはWordPress有料プラグインのポータルサイト。検索システムを導入し、ユーザーの目的にあったプラグインをサクット見つけることができるサイトです。
構成
プロダクト名 | 価格 | ダウンロード先 |
---|---|---|
Arkhe | 無料 | テーマディレクトリー |
WooCommerce | 無料 | プラグインディレクトリー |
Arkhe Wookit | 3,300円 | Arkhe公式サイト |
Arkhe公式サイトで販売している以下のプラグインは使っていません。
- Arkhe Pro Pack
- Arkhe Blocks Pro
- Arkhe Toolkit

プラグインを使っても良かったんですが、使わない構成でどんな感じになるか試してみました。
【デモサイト②】フォトグラファーの写真販売サイト

構成
プロダクト名 | 価格 | ダウンロード先 |
---|---|---|
Arkhe | 無料 | テーマディレクトリー |
WooCommerce | 無料 | プラグインディレクトリー |
Arkhe Pro Pack | 9,900円 | Arkhe公式サイト |
Arkhe Wookit | 3,300円 | Arkhe公式サイト |
デモサイト②では、公式サイトで販売している有料のArkhe Pro Packを導入しました。導入すると、「利用できるオリジナルブロックが増える」「カスタマイザー上の設定オプションが増える」といったメリットがあります。
ECサイトが簡単に作れる

デモサイトのようにArkheは無料プラグインのWooCommerceと組み合わせてECサイトを作ることができます。
WordPressテーマの中にはWoocommerceと相性が悪いものもあります。Arkheは専用プラグインを使うことでWoocommerceを利用することができます。
Arkhe公式サイトにあるプラグイン販売システムもWooCommerceで構築されています。

ArkheでのECサイトの作り方は次の記事で紹介しています。

SWELLとArkheの違い

ArkheはSWELL開発者さんの開発したテーマです。
Arkheは無料、SWELLは有料。何が違うのといえば、テーマのポジションが全く違います。

SWELLとArkheを使って感じた、両テーマの違いを少し紹介します。
ざっくりした両テーマの違い
ArkheはWeb制作事業者向けのベース的なテーマ。公式サイトでも書いてありますが、まさにこの通り。一般的な有料テーマに搭載されているような独自ブロックなどはありません。
何もないベースから、クライアントサイトを作っていくテーマ。
自力で対応する
- レイアウトまわりの調整
- オリジナルブロックの開発
独自カスタマイズにはHTML+CSSは基本として、PHPのコードが書けるスキルレベルが必要。
SWELLは完成したプロダクトです。

SWELLとArkheの違いは、次の記事で詳しく解説しています。

【定番】コーポレートサイト向け独自カスタマイズ

デモサイトはArkheに独自カスタマイズを実装しています。
コーポレートサイトだと、ヘッダーまわりに電話番号や問い合わせボタン、サブメニューを設置することがありますよね?
独自カスタマイズ
- ヘッダーにサブメニュー
- メガメニュー
- ヘッダーに電話番号と問い合わせボタン
- ページごとにグロナビを変更

それぞれ解説します。
ヘッダーにサブメニュー

サブメニューはコーポレートサイトの定番ナビゲーションの1つです。グロナビに掲載するメニューを厳選したのち、それ以外のページヘの導線としてサブメニューを使うことがよくあります。
一般的に下層ページへの導線は、グロナビやがメインになります。グロナビに下層ページへの動線を全てまとめてしまうとゴチャゴチャしてしまうことあります。そういった構成だと、優先的に見てもらいたいページへユーザーを導くことができません。
サブメニューに設置するコンテンツ例
- プライバシーポリシー
- 会社紹介
- 採用情報
- アクセス
Arkheはヘッダー周りのテンプレートファイルにフックが通っているので、テンプレートファイルを編集しなくてもサブメニューを設置できます。

サブメニューの設定方法の詳細は次の記事で紹介しています。

グロナビを展開するメガメニュー
グロナビにカーソルを合わせた時に展開されるのがメガメニューです。サブメニューをテキストで表示させるのがよくあるWordPressテーマの仕様です。それだけに画像が展開されるメガメニューはクライアント受けがものすごく良い印象です。

Arkheのメガメニューの導入方法は次の記事で解説しています。

ヘッダーに電話番号と問い合わせボタン

営業時間、問い合わせようの電話番号などをファーストビューに設置することで、ユーザーが問い合わせしたいと思ったタイミングで即アクションがとれる定番フォーマットです。
Arkheはヘッダーまわりにカスタマイズ用の独自フックが通っています。テンプレートファイルを編集しなくても、かなり柔軟なカスタマイズができます。

ヘッダーに電話番号を設置する方法は次の記事で紹介しています。

ページごとにグロナビを変更する
「この固定ページだけはグロナビのメニューを変更したい」。
企業サイト制作をしていると、クライアントから相談を受けることがあります。
固定ページ以外にも、「特定のカテゴリーに属する記事だけはグロナビにメニューを追加したい」といった要望なんかもあります。固定ページでも、特定のカテゴリーでも、フックを使うことでグロナビをページ単位でカスタマイズできます。

グロナビのメニューのカスタマイズは次の記事で紹介しています。

【必須】独自カスタマイズに便利なテーマの独自フック

Arkheには独自カスタマイズするユーザー向けに便利なフックが用意されています。
その中でも特に便利なarkhe_part__{$path}
フックを紹介します。
arkhe_part__{$path}フック
Arkhe::get_part()
で読み込まれたコンテンツの内容をガッツリ書き換えることができるフィルターフックです。
基本コード
add_filter( 'arkhe_part__{$path}', function( $parts_content, $args ) {
/* $parts_content の書き換え処理... */
return $parts_content;
}, 10, 2 );

このフックの特徴は、テンプレートを指定して内容を自由に編集できる点です。
【使い方】コードを一部変更する
記事ページのタイトル部分を置き換える場合を例に、具体的な使い方を解説します。
記事ページのタイトルはtemplate-parts/single/head/title.php
経由で出力されます。
ファイルの中身は次の通りです↓
<?php
/**
* 投稿タイトル
*/
?>
<div class="p-entry__title c-pageTitle">
<h1 class="c-pageTitle__main"><?php the_title(); ?></h1>
</div>
h1にはc-pageTitle__main
のクラスが付いています。
これを全く別のクラス名(kanta
)に変更する場合は次のようにフックを書きます↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
$parts_content = str_replace(
'c-pageTitle__main',
'kanta',
$parts_content
);
return $parts_content;
},
);
str_replace関数でc-pageTitle__main
を、kanta
に置き換えているだけです。
既存のクラスを残したまま、新規クラスを追加したい場合にも使えます↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
$parts_content = str_replace(
'<h1 class="c-pageTitle__main">',
'<h1 class="c-pageTitle__main kanta">',
$parts_content
);
return $parts_content;
},
);
【使い方】テンプレートの出力の後にコードを追加したい
テンプレートファイルの出力はそのままで、その下にコードを追加したいといった場合の使い方です。
以下は<p>test</p>
というコードをtitleテンプレートの出力後に追加させるコードです↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
$parts_content .= '<p>test</p>';
return $parts_content;
},
);
複数行コードを追加したい場合です↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
$parts_content .= '<p>1行目</p>';
$parts_content .= '<p>2行目</p>';
return $parts_content;
},
);
PHPのコードを出力することも可能です。
例えば、get_the_date
で取得した投稿日を追加表示させる場合は次のように記述します↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
$parts_content .= '<p>投稿日:'.get_the_date('Y年n月j日') .'</p>';
return $parts_content;
},
);
【使い方】コードをガッツリ変更する
部分的な置換ではなく「ガッツリ替えたい」といった場合の使い方についてです。
これまで解説したフックの書き方は「テンプレートファイル内部のコードの一部を書き換える」「出力の最後にコードを加える」という内容です。
既存のコードをゼロにして、出力するコードを全てフックで制御する場合は次のように記述します↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
ob_start();?>
// 処理をここに書く
<?php
$parts_content = ob_get_contents();
ob_end_clean();
return $parts_content;
},
);
タイトル部分をシンプルに<h1>タイトル</h1>
だけにしたい場合は次の通りです↓
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
ob_start();?>
<h1><?php the_title(); ?></h1>
<?php
$parts_content = ob_get_contents();
ob_end_clean();
return $parts_content;
},
);
【注意点】パスの書き方
arkhe_part__
フックは最初にテンプレートを指定します。この時のパスの書き方に注意しましょう。template-partsフォルダ内のsingle/head/title.php
を対象に指定する場合は次のように記述します。
add_filter( 'arkhe_part__single/head/title', function( $parts_content ) {
//処理
return $parts_content;
},
);
Snow Monkeyにもテンプレートの出力を書き換えるsnow_monkey_template_part_render_{path}
フックがあります。Snow Monkeyはテーマフォルダのルートからパスを書くため、templateフォルダ内のパーツを指定するさいはtemplateをパスに含める必要があります。
機能が似たフックですが、パスの書き方に違いがあります。Snow Monkeyの経験者だとちょっと混乱しそうなポイントなので注意しましょう!

Snow Monkey開発者さんに教えていただきました↓
snow_monkey_template_part_render_{path} フックの場合は、template-parts フォルダ以外のテンプレートも対象になっているので、template-parts フォルダ内のテンプレートを指定する場合は template-parts を含めるという感じですね。 https://t.co/5t8epLkOKf
— キタジマタカシ🐒Snow Monkey 開発者 (@inc2734) April 5, 2022
arkhe_part__フックのまとめ
フックの役割
- テンプレートファイルを指定してカスタマイズできる
- コードを部分的に変更できる
- コードを全て置き換えることができる

かなりカスタマイズの幅が広がるフックです!
arkhe_part__はSWELLでも使えるか?
このフックって、ものすごく便利。ArkheとSWELLは同一の開発者さんのプロダクトなので「もしかしてSWELLにも類似機能があるかも?」と調べてみましたが、SWELLにはありませんでした。
SWELLとの一番の差別化点はこのパーツフックです🤓 https://t.co/TRhakmtk4v
— 了🌊SWELL開発者 (@ddryo_loos) April 3, 2022
色々試してみたところ、SWELLにArkheのコードを移設するとこのフックが使えることがわかりました。

詳しくは次の記事で解説しています。

まとめ
WordPressテーマArkheのコーポレートサイト制作についてでした。
ArkheはSWELL開発者さんが無料公開しているWordPressテーマです。誰でもダウンロードできるので、気になる人はぜひ試してみてください!
Arkhe基本情報 | |
---|---|
テーマ名 | Arkhe(アルケー) |
価格 | 無料 |
開発者 | ddryo_loos |
公式サイト | https://arkhe-theme.com/ja/ |
